テレビの五分間番組

 むかしのテレビのことを語り出したらキリがない。だけど、ふと思い出したことがある。あまり意識したことがなく、時間が経つと忘れてしまいそうなので、備忘のために記す。

 それは五分間番組。昔の放送では三〜五分間くらいの番組がたくさんあった。時間調整の埋め草の感がなきにしもあらずではあるが、それなりの存在感があった。

 国際ニュース(外国のニュース)、スポーツニュース、スターの近況レポート、料理(食べるのではなく料理の作りかた)、天気予報(ヤン坊・マー坊など)、そして外国の漫画。

 特徴的なのは外国漫画。現代のアニメとはかなり異なっている。どんでん返し的なストーリーでユーモラスなものが多かった。アニメとか劇画ではなく〝漫画〟である。絵も角のない丸みを帯びた感じだった。吹き替えの声優も個性的だった。シリーズではない単発物も少なくなかった。ハラハラすることはあまりなく微笑ましいものが多かった。

 この五分間番組も時代とともに消えていった。数少ない生き残り、もしかしたら唯一の生き残りが「キューピー三分間クッキング」