東京タワー

 建造中のスカイツリーが東京タワーを抜き、日本一の高さになったとか。

 東京タワーとスカイツリーを見る意識は随分違っているように思われる。

 東京タワーの建造にはかなり〝挑戦〟的なものが含まれていた。昭和日本の発展のシンボルであった。日々、その建造状態が伝えられていた。

 また、残念なことではあるが、工事従事者の事故も少なくはなく犠牲の報に接することも多かった。犠牲者は殉教者のように扱われていたような気もする。これは黒部ダムの建設でも同様で、困難な工事と事故はつきものになっていた。

 東京タワーはデザインも裾広がりの逞しく力強い形をしていた。色も刺激的な赤と白に塗り分けられていた。

 一方のスカイツリーであるが、こちらはなんとなく静かな感じを受けている。力強さよりはしなやかさを感じさせるデザインだし、色も白が基調のようだ。もっとも白は、ライトアップで様々な色に染めることを想定しているのかも知れないが。

 工事の進捗についても、報じられる機会はさほど多くはない。なんとなくいつの間にかできているといった感じである。

 なんとなく昭和と平成の違いが感じられる。