南極探検

 南極探検船宗谷。南氷洋に行ったはよいが、氷に閉じこめられて身動きできなくなる。その模様が毎日ラジオで放送される。

 閉じこめる氷はますます厚くなってくる。絶体絶命。そのなとき強力な助っ人が現れた。それがソ連(当時)のオビ号。厚い氷を力強く蹴散らして助けにやってくる。いやあ、手に汗握り一喜一憂しました。アカだのなんだのと言われていたソ連が実はいいひとだったのです。わーい。損得抜きの助け合いもときにはあったようです。

 後に臨海副都心で宗谷を見たが、なんともまあ小さいこと。砕氷船というのは氷の上に乗っかって自重とタンク内の海水の重さで氷を割るのだが、オホーツク海の流氷を割るのが精一杯のような感じの大きさ。南極まで行ったのがとても信じられない。なんともまあ無謀なことを。

 でもまあ、恐れ知らずに色んなことに挑戦するのも昭和の時代性なのでしょう(特攻のことを言っているのではありませぬぞ)。やればできる、努力は報われる、あしたはきょうより良くなる、そう信じていた時代だった。