弱肉強食

 題名も不確かだが「ジャングル」とかいうテレビ番組があった。五分か十分ほどの短い番組である。ディズニーの『砂漠は生きている』も同種の映画だったように思う。

 内容は、動物と動物の闘いである。どちらかが勝ち、どちらかが負ける。勝者は敗者を食べてしまう。そこに「弱肉強食の掟」が云々といったナレーションが被さる。見ようによってはかなり冷酷なつくりである。

 サソリ対ムカデではムカデが勝ち、勝ったムカデ対クモの闘いはクモが勝った。ただし、これはサソリ<ムカデ<クモの順に強いというわけでもなさそうだ。闘った時点でのそれぞれの状態を加味しなければならない。老衰直前であったり、産卵で力を使い果たした直後であったりもする。

 蛇と蛇の闘いもあった。残念ながらどう決着がついたのか覚えていないが、毒蛇が毒を持たない蛇に負けたような気がする。

 振り返ってみれば、結構残酷な内容かもしれないが、でも、いまの子どもたちもこういう現実を知ったほうが良いのではなかろうか。そういう現実があるということを。また、人間社会ではそうはならない場合もあるということを。人間の場合、なぜそうならないのかを考えることも大切だと思う。もっとも、ちかごろは弱肉強食になりがちなのが気になるが。