伝言板

 なくなってしまったもののひとつに駅の伝言板があります。

 すでに伝言板を知らない世代もいるでしょうね。簡単に言えば、だれでも利用できる黒板です。大概は駅の目につくところにありました。記入日時と要件を一行で記入します。たとえば、待ち合わせ時間になっても相手が来ない場合、「○○さんへ。××へ先に行く。/△△」てな具合に伝言を記す。すると遅れてきた○○さんは、それを見て、××へ行き、無事ご対面が叶う、といった次第。

 この伝言がうまく伝わるかいなかで、人生の悲喜こもごもが発生した。

 利用しなくなって久しくなるが、なくなってしまったことすら気がつきませんでした。

 いつから無くなったのかわからいが、携帯電話の普及も大きな要因であることは間違いない。みんなが携帯を持てば、伝言板をつかわずとも、相手にメッセージを伝えることができる。それも、より確実に、より迅速に、より詳しく伝達できる。

 こうなれば、伝言板の出番はなくなってしまう。だけど、携帯を持たないひとはどうすればよいのだろう。ちょっと心配。