ヨイトマケ

 昭和の工事現場。工事現場などで土台を固めるのは人力で行っていた。丸太で高い櫓を組み定滑車をひとつぶら下げる。地面を叩くのは重たい錘。この錘をロープに結び、このロープを滑車を通して、人力で引く。いっぱい引いて錘を持ち上げ、「せえの」で手を離し、錘を自然落下させ地面を叩く。こうやって地面を固めていた。

 この作業を行うひとをヨイトマケと言っていた。唄で綱を引くタイミング、手を離すタイミングをあわせる。この歌がヨイトマケの唄

 ♪かあちゃんのためならエンヤコラ。
 ♪もひとつおまけにエンヤコラ

 いまでは機械化されすっかりなくなってしまった。

 ヨイトマケの子ども、きたない子どもといじめ抜かれてはやされた少年を唄ったのが丸山明宏。いまは美輪明宏と改名しているが、当時はシスターボーイとしてシャンソンを唄っていたが、突然そんな硬派で骨太な唄を唄い、話題を呼んだ。

 いまではその唄も、そしてヨイトマケそのものも消えてしまった。