尺貫法

 小学校で長さや重さを初めて習う前に「メートル法を学びます」という断りがあったように覚えている。わざわざそんなことを断ると言うことは少し前までは尺貫法を使っていたのだろう。法律だかなんだかでメートル法を使用するよう定めた直後だったのかも知れない。

 学校にいくまでは特に長さを気にすることはなかった。いや、ひとつだけあった。それは足のサイズ。足袋と靴下が混在していた時代だ。足のサイズは尺貫法で測られていた。○文○分。「ともんさんぶ」とか「ともんはん」とか。足袋がそうだったので靴も○文○分。因みに1文=2.4cm。

 重さは尺貫法だった。体重は風呂屋で測るもの。その体重計が尺貫法だった。○貫○匁。匁という単位は省略して○貫○と称していたように覚えている。1貫は千匁だとか。千倍ということはグラムとキログラムの違いですな。1匁=3.75g、1貫=3.75kgだそうな。味噌や肉、量り売りの買い物も匁だった。

 容積ではその後も長い間、尺貫法が幅をきかせていた。これは一升瓶、魂合瓶、牛乳瓶や一合徳利といった規格品があったからだろう。いやいや、お酒はいまだに合ですね。

 余談だが、1尺=30.3cmに対して、1フィート=30.5cm。1間=6尺=1.82mに対して、1ヤード=3フィート=91.5cmと非常に近い値になっている。これはどちらも人体を基準に定めた単位なのでそういうことになったのだろう。